人間の言葉

  • 2018.08.22 Wednesday
  • 20:00

  昨今SNSなどを通して世界中の人と瞬時に情報をやりとりすることができるようになってきました。とても便利ですし、人と人とがつながりコミュニケーションが広がることもたくさんあります。しかしそこで語られている言葉はどういう種類の言葉が多いのでしょうか。

 

 教育者の安積力也さんは「今とびかっている言葉は圧倒的に情報伝達の言葉である」と言っています。そういわれてみれば確かに情報伝達が多いです。それに対して「自分の内面を深くみつめるような言葉はあまり語られていない」というのです。いそげ、いそげ、またいそげの日常の中で、自分としっかりと向き合う時間を持たずに生きているとそのような自分の内面を深くみつめるような言葉がでてくることは難しいでしょう。

 

 たくさんの絵本を出版している福音館書店の松居直さんは次のように言っています。

 

「私達の周りには言葉があふれている。私たち自身が言葉の集まりであり、世界は言葉でできている。しかし、現在の日本において家庭の中にどれだけ豊かな言葉のやり取りが行われているかはなはだ疑問である。日本語が貧しくなっていると感じている。氾濫しているのは機械語であるテレビからの言葉だ。機械語は心に残らないし、画面もまた一方的に見せられているだけ。それでは心は育たない。

 

 自然の音や人間の声にこそ耳を傾けることが大切だ。幼い子ども達には、人間の言葉をたっぷりと語りかけていって欲しい。教えようとしなくていい。教え込むのではなく育てること。子どもを育てながら大人も育っていくこと。たくさんの言葉を注ぎ、言葉をたくさん蓄えて欲しい。言葉は文化を支える根底であり、人間の精神を作り生きる力となる。言葉が貧しくなっていくことに危惧を感じずにはおられない。

 

 夏休みももうすぐ終わりますが、どうぞ絵本をお父さん、お母さんの肉声で毎日読み聞かせることを続けていただけたらと思います。