デスモンド・ドスさんの本

  • 2017.07.01 Saturday
  • 20:00

一冊の本が昨年49年ぶりに改訂出版されました。Redemption at Hacksaw Ridge ハクソーリッジの救済という本です。原題は「比類なき英雄」。6月2日にブログでもご紹介したデスモンド・ドスさんについての伝記です。今回の映画化に伴い再出版だと思いますが、写真や記事もかなり増えて読みごたえがあります。この本がハリウッドのシナリオライターに渡り、17年の年月を経て映画化されたのです。

 

実はこの本の第5章は、今から34年前の1983年に広島三育学院編著の「死刑囚から牧師へ」という本の巻末に付録として翻訳されているのです。当時この本を編集したのが父だったので個人的に思い入れがあります。

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1982年5月に沖縄出身の牧師 新垣三郎氏が広島三育学院高等学校にゲストスピーカーとして一週間滞在し、朝に夕にご自身の数奇な人生についてお話されたことがありました。その話を聞いて多くの学生、教職員が大変感銘を受けました。

 父は当時広島三育学院で教えており「新垣氏の体験はなんとしてでも活字として残しておかなかればならない。単なる戦争体験記ではなく、後に続く青年たちの信仰の励ましとなるような本を作りたい」と思いたち、新垣牧師より手書き原稿の大きな束を譲り受けました。

 

 しかし、それは講演会用の手書き原稿で、話があちらにこちらにとんでいたり、重複があったり・・・。本にするには全面的に書き直さないといけない感じでした。

 宗教部の学生さんたちや学校のスタッフや家族も動員してまずは、録音テープおこしからはじまりました。私も夏休みは、テープおこしを手伝いました。ワープロだのパソコンがない時代の話ですから編集はなかなか大変な作業だったようですが、翌年7月には無事出版にこぎつけ、全国の教会や学校の方を中心に多くの方が読んでくださいました。

 

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「死刑囚から牧師へ」広島三育学院編著(1982) 装丁の絵は大黒毅先生です。

 

後にこの新垣三郎氏の体験は、作家の毛利 恒之氏の目にとまり、1992年には毎日新聞社より「地獄の虹〜死刑囚から牧師に」という本になりました。その話は別な機会にゆずるとして・・・。

 

実は、新垣三郎少年がサイパン島のジャングルの中で負傷兵を助けながらかけずりまわっていたちょうどその頃、彼の出身地、沖縄の小禄村からわずか16キロあまりしか離れていない沖縄最大の激戦地、前田高地(ハクソーリッジ)では衛生兵、デスモンド・ドスがこれまた超人的な人名救助活動に挺身していたのです。

 

 彼らは信念を異としていました。軍国主義を徹底的に叩き込まれた血気さかんな新垣少年、そして片方は熱心なクリスチャンで武器を持つことを拒否しながらも命を救うために衛生兵として参戦したデスモンド・ドス。やがて闘いが終わり、四世紀半の歳月が流れたあと、沖縄の指導的牧師となった新垣氏と「比類なき英雄」のデスモンド・ドス氏はかつての沖縄の激戦地でめぐりあうのです。

 

 父は、新垣牧師についての本の巻末にデスモンド・ドス氏の話を是非載せたいと考え、パシフィックプレス社に許可を得て、第五章 One Busy Sabbath 沖縄戦最大の戦闘におけるドスの働きの部分を中村百合子先生に翻訳していただき付録として載せたのでした。

 

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 ↑デスモンド・ドス氏と新垣三郎氏 1969) 

 

 

兵士だけでなく多くの民間人も犠牲になった沖縄。米国の帰還兵もあまりの壮絶な戦いにより精神を病んでしまった方も多数いるようです。映画の影響で前田高地を訪れる人が増えているようですが二度とこのような戦争の悲劇を繰り返されることがないようにと願うものです。

 

今回、福音社から「デスモンド・ドス」もうひとつの真実 フランシス・ドス著が日本語訳されました。こちら本はドスさんの奥様が書かれた本で読みやすいです。Redemption at Hacksaw Ridgeの本の方がより詳しいので近い将来、翻訳されるといいなと思います。

 

琉球新報 終戦50周年に沖縄にきたドスさんの記事

 

 

 

 

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映画レビューはhttp://top.tsite.jp/entertainment/cinema/i/35958601/?sc_int=tcore_entertainment_news_vingow-newsこちら。

 

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