過保護とは子どもをあまりにも甘やかしてしまうことです。
過干渉とは、子どもをあまりにも構いすぎることです。
中井俊己さんの「子どもの生きる力を伸ばす本」に次のようなエピソードが紹介されていました。
ある子が先生のところまでやってきて言います。
「ん、んん・・・・」
この子は今着替えをしていてボタンがなかなかとめられないのは、見ればすぐにわかります。
先生にしてほしいと思っていることもわかります。そして、この子は家ではこのように「ん、んん・・・」と訴えれば、誰かが助けてくれたのだ、それまでずっとそうやってきた子どもだと察しがつきます。もしあなたが、この子のお母さん(お父さん)、あるいは先生であればどうするでしょうか?
ある先生は次のように聞きます。
「●●くん、どうしたの?言ってごらん。」
するとその子は言います。
「せんせい、ボタン・・・」
「●●君、ボタンができないから先生にしてほしいんだね。だったらこう言ってごらん。『せんせい、ボタンができないのでしてください』って。」
そう聞くと、その子は「せんせい、ボタンができないのでしてください」と言います。
「●●くん、よく言えたわね。でもそれは自分でやってみたらできることだから、自分でやってみてごらん。」
するとその子は、ちょっと泣きそうな顔で一生懸命ボタンをとめようとがんばります。そしてほとんどの場合、時間がかかっても自分でできるようになるのです。それは、先生が(親が)さっさと手伝ってやるよりも数倍よいことなのです。子どもにとって、小さいけれど、目に見え、実感できる成長なのですから。
預かり保育ではおやつの時間があります。お菓子が個包装で子どもの手では開けにくい場合があります。そんな時すぐに「せんせい、あけてください」と持ってくる子どもがいます。
そんな時はこのように言うことにしています。「よ〜く見てごらん。お菓子の袋はあけやすいように、袋のはしがギザギザになっているでしょう。そこに指をこうやって持っていってしっかりつまんで、『エイッ』ってひっぱったら袋はやぶれるのよ。自分で開けられるようになるととっても便利よ。」と言います。
すると子どもたちは自分でトライして「できた!」「あけられた!」とと口々に言ってきます。
もちろん、時には子どもの手で本当に開けにくい場合もありますし、年少さんと年長さんでは違います。
年少さんなら、大人が一緒に手を添えて「ここを持って〜」と教えてあげるのもよいですね。
なんでも大人が変わりにさっとやってしまうのは子どものやろうとする機会をうばってしまうことなのです。
● 自分でできそうなことは多少時間がかかっても自分でやらせてみる
●「待っているからやってごらん」と待ってあげる
● コツをわかりやすく伝え、手をそえて教える
● 何も言わないで大人にやってもらうのをじっと待っているような子には、「なにをしてほしいのか?お話してごらん。」とちょっと察しの悪い大人になって聞いてみましょう!